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  • R&D特集 JNC、 事業創出へ外部連携強化
  • 2026年2月24日
     <木部茂 研究開発本部長>

     JNCは、新たな中期経営目標「Think&Act2030NEXT」の柱にポートフォリオ変革や新規事業創出活性化などを掲げており、研究開発部門には新規事業創出の役割が一段と期待されている。不確実性の高い環境でも社会や顧客の課題を見据えた研究開発を重視している。エコシステムに入り込み外部と積極的に連携するなかで目標の達成を目指す考えで、研究開発部門単独ではなく全社的な活動として位置付けている。

     引き続き「半導体」「ライフケミカル」「環境」を重点領域に位置づけている。ただ、注目が高い分野は競争も激しい。中長期の有望分野やニッチ領域を含め幅広く新規事業の芽を探索する。テーマ設定は短期が7、長期が3程度の比率とし、新規事業創出を急ぐ。

     具体的には、例えばデータセンターの熱・エネルギー制御に注目している。光学系の知見を応用した高効率データ伝送の検討を進めており、海外パートナーとの協働を含め次世代通信や情報インフラの高効率化に向けたアプローチを広げていきたい。海外ベンチャーキャピタルなどを通じ、新しいニーズやスタートアップが保有する先端技術に触れる機会を増やしている。自社の技術を補うだけでなく、スタートアップの挑戦を当社の技術で支え、その成果を自社ポートフォリオ拡張につなげる発想も重要だ。

     研究者の教育を強化しており、アイデア創出から仮の事業化計画まで描く能力と、外部と協働できる実践力を求めている。日本の材料メーカーでは長らく「顧客に寄り添えば社会ニーズも把握できる」との前提が成り立ってきたが、社会変化が激しい現在、この前提は揺らぎつつある。研究者自らが社会課題を見据えてニーズを設定する姿勢が不可欠となっている。

     とくに課題となるのが、研究の初期段階でのニーズ検証だ。市場情報などの収集には従来、多くの時間とコストを要していたが、昨年AIエージェントを導入し効率化が進んだ。今後は実験ノートから発表資料、知財出願までの一気通貫のデータ連携を進め研究者がより創造的業務に集中できるようにする。人手不足への対応として実験自動化の動向にも注目している。
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