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  • R&D特集 ポリプラスチックス、グリーン化を全方位で推進
  • 2026年2月24日
     <松島三典 常務執行役員研究開発本部長>

     当社はエンジニアリングプラスチックの100%循環化に向け、「DURACIRCLE」というコンセプトを掲げて関連技術の開発に取り組んでいる。リサイクルやバイオ原料の活用、製法の改善といった包括的な取り組みにより、エンプラのソリューションプロバイダーを目指す。

     2025年度にはポリフェニレンサルファイド(PPS)のメカニカルリサイクルを事業化し、液晶ポリマー(LCP)、ポリアセタール(POM)についても検討を行っている。PPSは一部顧客から回収しリサイクルしているが、数量の多いPOMについてはリーディングカンパニーとしてポストコンシューマーリサイクル(PCR)にも注力している。主要顧客の自動車業界は欧州のELV(廃車)規則などを背景に環境対応意識が高まっており、これを追い風としたい。

     ポリブチレンテレフタレート(PBT)では、再生PETを原料に導入することに成功した。また、すでにPOMで認証を取っているバイオマス原料に関するマスバランス方式の導入も広げていく。

     さらに、POM、LCP、環状オレフィンコポリマー(COC)の製法転換も進める。現状すでに環境性能の高い手法で製造を行っているが、それぞれの樹脂でさらなる改善を図る。膨大な流通量があるPOMなどの既存樹脂をまったく新しいバイオポリマーなどに置き換えるのは容易ではない。既存プロセスのグリーン化は顧客にとっても環境にとっても現実的かつインパクトが大きい解決策だ。

     26年4月をめどにダイセルとポリプラスチックスの統合が検討されている。これによりグループ内連携がさらに促進され、研究開発の幅も広がるだろう。当社は全体方針として、高機能エンプラのラインアップを増やしていくことを目指している。数量を追うよりも、それぞれのビジネスの特殊性を高めることがわれわれの生き残る道だ。研究開発本部としては、蓄積されたデータやノウハウを駆使して顧客それぞれへの最適なソリューション提供に貢献したい。

     蓄積データはマテリアルズインフォマティクス(MI)の取り組みでも役立つ。開発効率や精度の向上、新規開発の促進など大きな効果を発揮する。まだまだ進展の余地があり、今後さらに活用範囲を広げていく。
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