AGC横浜テクニカルセンター
AGCでは電子カンパニーと化学品カンパニーが連携し、次世代領域で使われる半導体関連材料の開発に力を入れている。
電子カンパニーで取り組む製品の一つはTGV(貫通孔)付きガラスコア基板。パッケージ基板を大型化すると既存の樹脂基板は反り問題を乗り越えられなくなるため、寸法安定性や電気特性に優れるガラス基板が着目されている。TGV加工まで一貫して手がける方針のもと、ガラス組成だけでなく貫通孔加工の技術・装置設計も開発テーマ。難易度が高い厚板でも径50マイクロメートル、深さ1ミリメートルという20対1の高アスペクト比でビア(穴)を加工する技術を実証ずみだ。
伝送速度が速い光信号を電気信号と融合させることで、高速通信を低消費電力で実現する光電融合は電力を大量消費する生成AI(人工知能)向けデータセンターに有効となる技術で、パッケージ基板上にチップとともに搭載される光学部品も開発している。光を特定の方向に導くための導波路を、まずはフッ素系のポリマー導波路で事業化したい考え。量産技術の確立を急いでいる。将来的にはガラス導波路も見据える。
化学品カンパニーではフッ素樹脂、フッ素ゴムを製造装置部材用途に供給するほか、フォトマスク用防塵フィルム材料「サイトップ」、モールド離型フィルムといったプロセス部材も手がけるが、さらに拡充すべく新製品開発を急ピッチで進めている。プロセス中の温度制御を担う熱交換器に使用するフッ素系溶剤は、環境負荷低減の観点から顧客による地球温暖化係数(GWP)が低い材料へ切り替えるニーズや事業継続計画(BCP)強化ニーズが高まる外部環境もあり、とくに事業化を急ぐ。エッチングやクリーニングに使用するフッ素ガス関連の上市計画もある。
電解由来の塩素があり、蛍石を出発原料にフッ酸から自製している同社はハロゲン化学の合成技術、フッ素化学品チェーンの知見を蓄積しており、これらを強みに低GWPの新たな半導体関連フッ素製品を投入していく。