EUVレジスト向けのポリマー量産設備
丸善石油化学は、半導体フォトレジスト用樹脂の世界市場の拡大に合わせ、生産体制と研究開発体制を拡充し、世界的有力メーカーの地位を堅持する。既存競合メーカーや海外メーカーが技術的に追い上げをみせるなかでも、金属不純物の低減や品質のばらつき抑制といった品質面で、引き続き優位性を発揮していく。
自動車や家電などに使われるレガシー半導体では、需要の低迷が長期化しているうえ、米国による関税政策などの不確定要素もあるものの、中長期的な世界市場の拡大トレンドは変わらないと見込む。他方、先端品については、生成AI(人工知能)関連の需要がけん引役となって、足元でも急成長をみせている。先端向けArF、EUV(極紫外線)リソグラフィーで利用される同社のフォトレジスト用樹脂の販売も好調だ。
2024年度にはArF向け樹脂の製造設備を1系列新設し、供給能力を50%増強した。顧客の認証が取れ次第、本格稼働に入る。
EUV向けについては、22年度に量産設備を立ち上げ、稼働は順調だ。半導体の微細化の進展に伴って要求品質も高度化されることから、次世代品に対応できる新設備を千葉地区に導入していく方針。26年度にも試作機を稼働させ、その後、次世代品用の量産設備への設備投資も検討していく考え。
厚膜レジスト用樹脂の生産設備でも増強を実施ずみ。生成AIサーバーにも使われる3DNAND型フラッシュメモリーの需要に加え、チップを集積化するための配線用途など後工程向けの用途が拡大しているようだ。
千葉地区に研究開発から製造までの一貫体制を構築していることが同社の強みの一つ。近年は開発の加速を目指し、人員の増強を含め、研究開発や分析の体制強化を進めてきた。23年度には、同樹脂の開発に特化した専門部署「機能性樹脂技術開発センター」を開設。今後、さらに開発施設を拡張することも検討中だ。