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  • 台湾特集 台塑德山精密化學股份有限公司(トクヤマ)、最先端工程にリサイクルIPA
  • 2025年11月10日
    • IPAの輸送に使うコンテナ
      IPAの輸送に使うコンテナ
     台塑德山精密化學(FTAC)は、AI(人工知能)など最先端半導体を作る工場に、精密洗浄や水切り乾燥で使う高純度イソプロピルアルコール(IPA)のリサイクル品を供給する。台湾南部の林園工場(高雄市)で顧客の工場から回収した廃液を精密精製し、最先端の製造プロセスで使える品質の高純度IPAに再生する。2026年にリサイクルプラントが完工次第、最短で顧客認証の取得を目指し、27年度内に高純度IPAのリサイクル品の供給を始める計画だ。

    • 本田治義 董事総経理
      本田治義 董事総経理
     同社の親会社であるトクヤマは、世界的な化学大手である台湾塑膠工業股份有限公司(台湾プラスチック)と折半出資するFTACを通じ、半導体の受託製造の大手顧客とともに高純度IPAの高度なリサイクルに取り組む。FTACの董事総経理の本田治義氏は、「顧客に選ばれ続ける高純度IPAベンダーとして存在感を高める」ため、「高純度IPAの循環利用をビジネスとして成り立たせていく」と強調する。

     23年頃から顧客の半導体工場で出る廃液のサンプル提供を受け、ラボレベルで技術を確立した。台湾政府が持続可能な半導体製造プロセスの導入を後押しする流れも受け、「新たな事業を作り上げる覚悟」でリサイクルプラントへの投資を決定。26年内にリサイクル設備が完成し、顧客の認証を経て27年度から最先端の半導体工場へ高純度IPAのリサイクル品の供給を目指す。

     高雄に3万トンの設備を持つ高純度IPA新液の事業について、「品質の安定性や供給能力、顧客との良好な協力関係を通じ、今後の投資を見通せる状態にある」という。林園工場には次期プラントを建設するスペースが確保されており、台湾顧客の旺盛な需要に応えていく構えだ。

     品質で優位性を維持するため、今後は不純物管理の更なる強化を目指した新分析技術の自社開発も視野に入れる。高純度IPAの製造工程だけでなく、タンクコンテナやローリーへの充填などあらゆる段階で品質が変化する要因を洗い出し、半導体顧客の製造工程の歩留まり向上につなげる考え。
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