高純度硫酸で高い存在感を示す
台湾三菱化学股份有限公司は、構造改革によって強い半導体材料に資源を集中させる。高純度ケミカルは昨年、過酸化水素の生産を停止し、生産品目を硫酸とアンモニア水に絞った。おむつ向け透湿シートの生産からも撤退し、跡地にイオン交換樹脂の新ラインを設ける方向で検討が進む。イオン交換樹脂を増産し、半導体用途に振り向けることで付加価値の高い事業モデルに転換する。
台湾三菱化学は2022年に主力の高純度硫酸の生産能力を1・5倍に増強し、同年に研究開発やマーケティングを担うR&D拠点も開設した。R&D拠点で機能性ケミカルやエッチャント、負膨張フィラーといった新規材料を手がけ、ポートフォリオの拡充につなげる考えだ。
先端半導体の活況を背景に、高純度硫酸はフル稼働が続く。足元、デボトル増強を進めており、並行して大型投資も検討中。先端市場の拡大と高純度化の両方のニーズに応える。高純度アンモニア水の現地生産は継続するほか、高純度塩酸は日本でトップシェアを握っており、台湾市場は日本からの輸入で対応する。
伏見茂男董事長兼総経理
高雄拠点では、撤退したおむつ向け透湿シートの跡地でイオン交換樹脂の増強を視野に入れる。これまで触媒用途や一般水処理用途に展開してきたが「超純水製造装置向けといった半導体用途の割合を増やす」(伏見茂男董事長兼総経理)ことで収益性を高める。
半導体製造装置のパーツ洗浄ビジネスは、台湾の先端市場でトップシェアを握る。低パーティクルなどが求められる先端市場に特化し、一般的なパーツ洗浄と差別化を図っていく。
23年から始めたエンジニアリングプラスチックの輸入販売は、ポリカーボネート(PC)やポリブチレンテレフタレート(PBT)を取り扱う。中国拠点と一体運営で電子機器や半導体分野の需要を取り込む。
ディスプレイ材料はカラーレジストを展開しており、台湾パネルメーカーが力を注ぐITや車載向けに最適な材料を提供し、パネルの高度化を実現する。