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  • 台湾特集 インドに乗り出すPSMC
  • 2025年11月10日
    • タタ・エレクトロニクスはPSMCと組み、グジャラート州ドレラに半導体工場を建設する
      タタ・エレクトロニクスはPSMCと組み、グジャラート州ドレラに半導体工場を建設する
     注目を集めるインド半導体市場。同国初の前工程工場に関わるのが力晶積成電子製造(PSMC)だ。インド財閥タタ・グループのタタ・エレクトロニクスと組み、300ミリメートルウエハー工場を立ち上げる。手がけるプロセスノードは28~110ナノメートルで、先端から成熟領域までをカバーする。

     材料供給のサプライチェーンも徐々に明らかになっており、超純水は野村マイクロ・サイエンスが受注。富士フイルムは高純度ケミカルやフォトレジストなどを現地生産し、材料供給でサポートする。台湾でPSMCに半導体材料を供給してきた日系材料メーカーも「声がかかったときに供給できるように準備している」とインド市場に期待を寄せる。半導体製造装置では東京エレクトロン(TEL)が協力し、人材育成も含めた装置の支援を行う。

     半導体産業を興すべく、インド政府は10の半導体プロジェクトを承認した。前工程はタタの300ミリメートル工場とインドのデバイスメーカー・シクセムが計画するSiC(炭化ケイ素)のパワー半導体工場の2件。残る大部分は後工程工場であり、シリコンウエハーの前工程工場を計画するタタのプロジェクトの成否が、インド前工程市場の拡大のカギを握るといえそうだ。

     PSMCのインド進出の裏で、白紙になったのが日本への進出だ。SBIホールディングスと合弁で宮城県に半導体工場を建設する予定だったが、合弁事業のリスクを鑑み、急きょ撤退を表明。タタへの技術ライセンスに舵を切った。

     こうした紆余曲折もあって、台湾では「PSMCのインドプロジェクトもまだ分からない」(日系の台湾現地法人)との声も多いそうだ。PSMCのコピープラントをインドに建設する予定だったが、タタの意向もあってプロジェクトは当初の計画から変更されているとも聞く。2026~27年の稼働予定から遅れ、現在は28年の量産開始でプロジェクトが進む。量産技術の確立に加え、電力や水といったインフラなど課題はいくつもあるが、インド政府の熱意を受け止め、さまざまな装置メーカー、材料メーカーの協力も仰いでハードルを乗り越えなければ、インド半導体市場は幻で終わってしまう。
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