小西安は、すそ野が広い台湾の半導体産業で新たな商流の構築を推し進める。半導体チップを製品に仕上げる後工程向けの材料で量産プロセスでの評価が進み、数年内に実績化を見込む。台湾の材料メーカーが手がける製品を世界に提案する取り組みも進め、持続的な事業運営につなげる。
日商小西安股份有限公司は、今年で設立10周年の節目を迎えた。5月に支店長に就任した廣田雄久氏は、「当社は数十年にわたり台湾ビジネスを展開しているが、支店の設立で成長を加速した」と説明し、「AI(人工知能)サーバー関連や化粧品、バイオ分野などで市場調査を進め、新たな飛躍につなげたい」と意気込む。
成果が出始めているのが、後工程に使う封止材や基板向けの材料だ。台湾の半導体エコシステムに関わる企業はすそ野が広く、日系の半導体材料メーカーの製品を幅広い顧客に紹介。引き合いやサンプル依頼が増え、量産プロセスでの採用に向け評価が進む案件も複数あるという。
廣田雄久 支店長
AIサーバー市場の急拡大を受け、「耐電圧」「低誘電」「放熱」をキーワードに顧客のニーズにあわせた材料の提案も急ぐ。回路形成に使う感光材(フォトレジスト)のベースポリマーや添加剤は、温度管理が行き届いたストックヤードを活かし、さらなる拡販を目指す。
日本の製品を台湾に輸入販売するビジネスモデルに加え、台湾の材料メーカーの製品を東南アジアなど世界へ拡販する商流の構築も急ぐ。シンガポールやマレーシア、中国・上海やタイの現地法人と連携し、半導体の高集積化で生まれる次世代の技術ニーズに応じた提案を進める。
台湾の1人当たりの可処分所得が増えたことで市場が拡大する高価格帯の化粧品や、台湾政府が産業の育成に注力するバイオ医薬品の開発・製造受託(CDMO)向けでも、グループの経営資源を活かし事業機会を探索する。