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  • R&D特集 四国化成工業、付加価値高い「次の柱」創出
  • 2026年2月24日
     <池田雄一 取締役常務執行役員 研究開発本部長>

     不溶性硫黄や塩素化イソシアヌル酸、プリント基板向け防錆剤など主力製品の販売が堅調に推移する今こそ、「次の柱」となるより高付加価値な事業の創出が重要だ。当社の強みは、一人の担当者が基礎研究から製品化、さらには顧客対応までを一貫して担う体制にある。研究段階から事業化を見据えた視点を持つことで、市場ニーズを的確に捉えた開発を推進している。

     とくに注力している分野がファインケミカルだ。AI(人工知能)関連投資の拡大を背景に、基板樹脂材料と銅回路の密着性を無粗化で向上させるプロセス「GliCAP(グリキャップ)」の販売が大きく伸長している。次世代通信やAIサーバー向けなど、高度化が進む市場ニーズに応えるべく、さらなる性能向上に取り組んでいる。

     また、半導体前工程向け材料では、微細化が進む最先端領域に対応した製品の開発を進める。ここ数年で本格採用が進み、着実に実績を伸ばしている。

     そのほか、プリント基板やパッケージング基板向けの架橋・改質剤では、ポリフェニレンエーテル(PPE)やビスマレイミド樹脂といった低誘電材料向けにアリル系・スチレン系の製品を提案している。従来、低誘電特性とはトレードオフの関係にあった難燃性や耐熱性といった機能を両立できる点が特長で、現在顧客における評価が進行中だ。

     有機化成品分野では、プールなどで用いられる殺菌・消毒剤「ネオクロール」を基盤に、家庭用サニタリー製品を開発している。併せて、ODM製品の拡充にも取り組む。無機化成品分野では硫黄を起点とした製品開発を進めている。具体化には一定の時間を要する見込みだが、中長期的な成長を見据え開発を進める。

     設備面では、R&Dセンター(香川県宇多津町)敷地内に新たなR&Dセンターの建設を開始した。最先端領域の研究開発に不可欠なクリーンルームなどの高度な施設を整備し、顧客の高度化・多様化する要求に応えることが狙いだ。各フロアの仕切りを最小限にし、部門横断的なコミュニケーションを促進する設計とした。

     さらに、マテリアルズインフォマティクス(MI)の推進を主眼に置き、専門人材の採用やデータサイエンティストの養成にも取り組んでいる。AIの活用によりデータ駆動型の効率的な開発を行う。
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