近年、ほとんどの化学メーカーが「半導体」を戦略領域に掲げるようになった。半導体市場は技術力が生かせる高付加価値分野であり、グローバルで拡大が見込まれる。成長市場であるからこそシリコンサイクルによって停滞期が訪れるが、そのたびにパソコンやスマートフォンといった新しいアプリケーションが生まれ、力強い成長曲線を描いてきた。足元の牽引役はデータセンターで用いられるAI半導体。今後はスマホや電気自動車などBtoCにもAI半導体が広がり、需要のさらなる拡大が期待される。
WSTS(世界半導体市場統計)によると、2024年の世界半導体市場はデータセンター投資が相次ぎ、前年比19・7%増となった。25年は同11・2%増と2ケタ成長を維持し、26年も同8・5%増の高成長を予測する。関税問題などの地政学リスクがくすぶるものの、AI関連の需要拡大が不安要素を打ち消す。
30年以降はどうか。ベルギーの半導体研究開発機関imec(アイメック)は39年までの技術ロードマップを示しており、先端ロジックのプロセスノードは足元の2ナノメートルから30年前後に1ナノメートル、39年には0・2ナノメートル以下の時代に突入する。少なくとも40年辺りまで技術革新が続き、常に新しい材料が求められるということだ。
半導体プロセスは前・後工程とチェーンが長く、川上の原材料から川下の工場資材まで含めるとあらゆる場面で商機を見いだせるはず。アジア偏重だった市場は欧米に広がり、インドという新市場も産声を上げる。日本にも先端ロジックを手がけるラピダスが誕生し、材料と装置の知見を生かせる舞台が整った。利益を生み出す半導体市場、そこに参加しない理由はない。