ダイボンド用銀接着剤
田中貴金属工業は、半導体のダイボンド用銀接着剤製品を強化している。パワー半導体のヒートシンク・半導体チップ(ダイ)間の接合に求められる、高熱伝導性と信頼性の両立に応える。独自の銀シンタリング(焼結)と樹脂とのハイブリッドタイプに磨きをかけ、車載などの高成長市場を取り込む。とくに炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)などの化合物半導体による大電力用途を有望領域として、世界シェア拡大を進める。
展開する銀接着剤は20年以上の実績を持ち、エポキシなどの樹脂タイプから焼結・ハイブリッドまで豊富なラインアップを持つ。銀焼結は高い弾性率でワレによる剥離が課題になるが、ハイブリッドは樹脂複合により亀裂の成長を抑えることで信頼性を大幅に向上し、車載用途で採用が進む。
ハイエンド向け銀焼結・ハイブリッド品を展開する「TS-985シリーズ」では240ワット/ミリケルビンの高熱伝導に対応。同300以上も開発を進める。既存の無加圧品は設備投資への負荷が低い点で評価されている一方、顧客の設備投資が進む中国では加圧品のニーズが高いことから、加圧品の投入も検討。モジュールに適した大面積対応など、全体でラインアップ拡充を図る。
世界展開の強化も進行中だ。新たにシンガポールのラボ拠点で大口顧客向けの生産を開始。車載向けを含めた後工程受託(OSAT)が活性化するタイ・ベトナムでの現地市場開拓も積極化している。後工程投資が始まるインド市場も注目し、今年のセミコンインディアへの出展も予定する。
社内連携も強化している。世界トップクラスのボンディングワイヤーを持つ田中電子などとグループ内で横串を通し、営業時の一体提案を推進。大面積用の銀―スズTLPシートなど製品間シナジーも生かし、戦略領域として育んでいく。