樹脂のなかで酸化亜鉛同士は点ではなく面で接するため熱伝導率が高まる
堺化学工業は、取り扱いに長ける無機化合物でもって半導体ビジネスを伸展させる。現在、高速通信、信頼性向上に寄与する2種類の製品の営業活動に励んでおり、どちらも2027年度を起点とする次期中期経営計画で収益化させる。
半導体の高性能化に役立つとして紹介している1つが、真球状アモルファス(非晶性)シリカ「Sciqas」シリーズ。封止材、パッケージ基板、プリント基板に用いられる各種樹脂に混合すれば、誘電正接(Df)を大幅に低下させられる。粉体プロセッシング技術を駆使し、非晶性を維持したままシリカ粒子表面から水酸基を除去しており、Df増大の要因となる水分の吸着を防ぐことで低Dfを図れる。
粒子径0・1マイクロメートル品と0・4マイクロメートル品を中心に、0・05から1マイクロメートルまでの大きさのものを提供することが可能。いずれのサイズも粗大粒子はなく、粒度分布がシャープで、半導体パッケージなどの微細化の要望に応えられる。高硬度で圧力がかかってもひずみが生じず、線膨張係数が小さいなどシリカが本来持つ性質も発揮させられるという強みも訴求し、採用実績を積み重ねていく。表面処理品や各種溶剤に高濃度に配合した分散体での提供も行える。
酸化亜鉛は熱伝導率に優れ、一般的な酸化物フィラーと比較して柔らかいという利点を生かし、放熱材料として提案を進めている。混合した樹脂のなかで酸化亜鉛同士が点ではなく面で接触するため放熱経路が太くなり、熱伝導率が高まる仕組み。酸化亜鉛を充填すればするほど放熱性を向上させられる。
形状が不定型で、粒子径を2~20マイクロメートルの範囲で調整できる「LPZINC」シリーズと、球状で、6~70マイクロメートルの「LPZINC―S」シリーズを品揃え。形や大きさが異なる酸化亜鉛を組み合わせることで、樹脂のなかに隙間なく充填させられる。半導体関連用途向けには絶縁性を高めたグレードを展開する。