「SYシンテックSM-N1」配合レジストのラインパターン画像
天然グリセリンのトップメーカーである阪本薬品工業は、電子材料を研究開発における重点分野の1つと位置づけ、新規事業の創出に力を注ぐ。電子材料のなかでも成長が期待される半導体分野では、成膜・フォトリソグラフィ・CMP(化学機械研磨)・洗浄の各工程をターゲットにした新製品を開発。早期実績化に向けて、国内外で本格的な提案活動を進める。
成膜工程では、独自の精製技術と品質管理により金属含有量10ppb未満を実現した「精製グリセリンEL」を開発した。現像液であるTMAH水溶液に配合することで、未露光部の溶解性を抑制し解像向上に寄与する。同社は国内外でサンプルワークを開始しており、すでに中国、韓国、台湾など海外を中心に引き合いが増加している。
フォトリソグラフィ工程では、新開発のネガ型レジスト向けモノマー「SYシンテックSM―N1」を提案中。同モノマーはポリグリセリン骨格を有するメタクリレートで、一般的な多官能メタクリレートに比べて、フォトレジストの感度・密着性・解像性を向上させることが可能。顧客での評価が進展しており、今後の採用拡大を見込む。
CMP工程では、CMPスラリー向けポリグリセリン「Polyglycerol―SY」を開発した。研磨薬液に防食剤と開発品を配合することで、銅表面の過研磨を抑制する。表面粗さやスクラッチ低減、腐食抑制など高平坦性に優れるため、防食剤の使用量を従来の5分の1程度に削減できる。
洗浄工程では、精製グリセリンELを基にCMP後洗浄向けの高純度・低金属ポリグリセリンを開発した。同ポリグリセリンをアルカリ性洗浄液に添加することで、配線部表面の表面粗さが増加せず平坦な表面が維持できる。同社ではPolyglycerol―SYとあわせ、サンプルワークを進めながら、早期の実績化を目指す。