柳井一伸 総経理
<大八化工(常熟)有限公司>
リン酸系難燃剤大手である大八化学工業は、常熟経済技術開発区(江蘇省)で2003年、現地法人・大八化工(常熟)を設立した。
主力製品の縮合型リン系難燃剤「CR-741」は、ハロゲンを含まない環境対応製品。耐熱性や耐加水分解性に優れ、他のリン系難燃剤に比べ揮発性が低い。成形時にガスが発生しにくく、成形機への汚れ付着や金型の腐食が極めて少ない点が、日系含む外資や中国顧客に高く評価されている。
製品はPC(ポリカーボネート)/ABS樹脂アロイやPC、PBT(ポリブチレンテレフタレート)などを取り扱う東南アジアの企業向けなどへ輸出するほか、中国の顧客に幅広く供給している。「アジア域内で競争が激化するなか、価格戦略と高い品質・環境性で顧客ニーズに応え、中国国内で新規開拓を進めていきたい」(柳井一伸総経理)考え。昨年には、EUのREACH規則に準拠した製品の供給も開始した。
一方、常熟経済技術開発区が化工集中区から化工園区へ昇格する際、大八化工(常熟)は一層厳しい安全・環境基準の強化を求められた。この要求に対し、全社一丸となって生産の自動化や環境改善に取り組んだことが評価され、開発区から先進企業として複数回表彰されている。
大八化工(常熟)はCR-741の生産販売に加え、同じくノンハロ難燃剤である縮合リン酸エステル「PX-200」の販売も担う。同製品は粉状で扱いやすく、耐加水分解性、耐熱性に加え低誘電性に優れる。プリント基板向けなどで幅広く使用されており、一層の拡販を目指す。
大八化学工業の日本国内の動きとしては、プリント基板向け難燃剤に力を入れる。データ高速化に対応した低誘電型新規リン系難燃剤の需要拡大を見越し、福井工場(福井市)に専用ラインを新設。2026年初めの操業開始を予定する。