鵜川健 社長
住友ベークライト・シンガポール(SBS、鵜川健社長)は、半導体向け封止材とダイボンディング用銀ペーストの開発・製造・販売を手がけている。東南アジアに集積するグローバル顧客への供給体制を担い、とくにパワー半導体分野での技術提案力に強みを持つ。
これまで電気自動車(EV)や産業機器の需要が中心だったが、生成AIの普及を背景に、AIデータセンター向けパワー半導体の需要が台頭してきた。パワー半導体の効率を高めるためには、熱対策が重要になるが、SBSでは従来以上に放熱性を高めた封止材や銀ペーストの開発、生産課題に取り組んできた。今後の東南アジア地区の旺盛な需要に応えるため、先を見越した現地供給体制を整える。
EV向けでは、モーター磁石固定用封止材やECU一括封止材を供給しているほか、超高TG(ガラス転移温度)のパワーモジュール用封止材の需要が好調に推移している。とくに、片面冷却構造のパワーモジュールでは、熱変形や割れを抑える性能が評価され、欧州系顧客を中心に採用が広がっている。
新興国市場の開拓にも力が入る。インドの半導体産業の立ち上がりを受けて商機が拡大中。封止材のリーディングカンパニーであることが奏功し、大手半導体メーカー数社で評価が進む。住友ベークライトは、インドにすでにマーケティングスタッフを常駐させており、現地顧客のニーズの深堀りを進めている。SBSからも商談やサンプル評価のサポートを行い、現地での事業基盤づくりは着々と進んでいる。
そして、ローカルスタッフの育成にも注力している。インドに設置したオープンラボを活用し、顧客との共創型実験を通じて優秀なエンジニアが育ってきた。欧州などの国際学会への発表を積極的に行い、技術発信力の強化にもつなげている。