田中隆志 アジア大洋州化学品・エレクトロニクス・農業ユニット長
アジア大洋州住友商事の化学品・エレクトロニクス・農業ユニットは有機化学品・合成樹脂などの石油化学品、無機・機能化学品、電子材料や電子機器受託製造サービス(EMS)のエレクトロニクス、農業・医薬などのライフサイエンスの4つのビジネスラインで事業展開する。石油化学品を中心にトレーディング事業を取り巻く事業環境が厳しいなか、販売地域・商材を広げるだけでなく、事業投資案件推進による基盤固めも確実に進める。
石油化学品トレーディングは中国発のデフレ輸出で東南アジア域内の市況が低迷しているため、域外拡販と商材の高付加価値化を推進。中東などの市場を広げたほか、高機能樹脂の取扱を増やすなど「成長戦略を愚直に推進する」(田中隆志アジア大洋州化学品・エレクトロニクス・農業ユニット長)。
無機・機能化学品の硫酸事業では、4月にシンガポールに新たに設置したトレード拠点に加え、5月にはタイのラヨン県マプタプットでタンクターミナルを運営するNFC・パブリック・カンパニーと合弁会社を設立している。米国、チリ、オーストラリアで展開するタンクターミナルに加え東南アジアでのサプライチェーンを強化する。
トレーディングビジネスやサプライチェーンの新規構築を念頭に、業容拡大に取り組む重要な市場としてインドの位置づけが高まっている。内国生産奨励政策などを後押しに、合成樹脂の供給網を家電製品向けなどへさらに強化する。今後、中長期で立ち上げが計画される半導体産業への材料供給も検討を始めている。すでにスタートしているインド製原薬・中間体も日系顧客向けのニーズがますます高まっている。
このほか、住友商事ではAOIバイオサイエンスとの間で不妊症・不育症検査「β2GPIネオセルフ抗体検査」の海外展開に向けた資本業務提携を結んだ。グローバル規模に拡大する皮切りとしてインドネシア、マレーシアでの展開に力を注ぐ。