大友克之 所長
JFEエンジニアリング(JFEE)は2025年、新たなグループ体制を構築した。住友ケミカルエンジニアリングが3月末に傘下入りし、JFEプラントテクノロジー(JPT)へと社名を変更。三井E&Sプラントエンジニアリングの系譜を引くJFEプロジェクトワン(JPO)と並び立つ組織となり、より一層石化プラント事業を強化していく。多くの拠点を抱える東南アジアでシナジー発現への期待が高まるなか、JFEEシンガポール事務所の大友克之所長は「顧客層が重複しない利点を生かして案件の幅を広げたい」と強調する。
1980年代に進出して以来、シンガポール事務所は石化プラントを中心に切れ目なく受注を得てきた。東南アジアでは「拠点間連携」を特徴としており、自身がプロジェクトマネジメントなどを担う一方、マレーシア・インドネシア・タイなどに置く法人と協業しEPC(設計・調達・建設)を遂行してきた。
今年からはJPT傘下のSCESが関係会社となり、シンガポールでも更なるEPC能力を獲得。案件に応じた最適な遂行体制強化への下地を整えた。JPOが主力とする石化分野でシナジーを期待する一方、今後はJPT・SCESが強みを持つ半導体産業向けでの協力もあり得る。マレーシアで工場建設が相次ぐなかで「30年以上の歴史あるJFEEマレーシア法人が活用できる」(大友氏)といい、ウィンウィンの関係性をもたらす考えだ。
シンガポールにおける日系化学メーカーの大型投資は、25~26年にかけて完工を迎える。中国品の台頭もあってこれからの設備投資には逆風が吹く可能性が高いが、大友氏は「人材・政情などの観点からシンガポールの優位性は揺るがない」と観測。既存設備の改良・増強計画に加え、機能化学品を中心とした新規投資計画が浮上する可能性もあるとにらむ。改良工事の受注で当面下支えしつつ、新規案件では26年以降のEPC受注を見込む。