佐藤明 支店長
石化製品やオレオケミカル製品の物流でアジア10カ国と日本を結ぶ日本石油輸送(JOT)シンガポール支店。政治・経済上の変動要因がグローバルに影響するなか、幅広く拠点網を抱えるパートナー企業との連携体制を強みに物流の安定化に貢献している。今後は日本向けに加えて中国向け案件の獲得にも努め、さらなる業容拡大を図る。
同社は東南アジア―日本間を主力にISOタンクコンテナのオペレーションを手がけ、石化品はシンガポール・タイを起点に展開。一方でパーム油生産が盛んなマレーシア・インドネシアからは脂肪酸類などの輸出案件を多く抱える。だがここ数年でも各国産業のプレゼンスは急速な変化を遂げ、佐藤明支店長は「2025年から中国向け輸送の拡大を新たな目標として掲げた」と話す。
中国は多くの石化品を自製化した一方、ヤシを産出しないことから脂肪酸・アルコール類などの輸入ポジションは続く。逆に日本は一部石化製品で輸入側に転じており、これら双方で商機が生まれる。今後も日系顧客の案件が中心になるが、徐々に東南アジアのローカル顧客からの獲得も増加。収益向上とリスクヘッジにつながる利点もあり、パートナー企業との協同営業に注力していく。
シンガポールでは今後に向けたサービス体制の拡充が進み、25年からはクリーニングデポの提携先が1社から2社に増加した。高い物流品質をさらに安定的に提供できる下地が整った。
直近で新たな商機を見込むのは、SAF(持続可能な航空燃料)原料の輸出だ。東南アジアで回収された廃油はフレキシブルバッグに封入してドライコンテナで送る例も多いが、安全性を重視する日本・韓国向けではISOタンクが好まれる。現状は韓国向けの引き合いが多いが、これから立ち上がりを迎える日本市場を次のターゲットと見込んでニーズ獲得を狙う。