• 大型特集
  • 中国特集 日系化学、現地生産・技術サービス最適化
  • 2025年9月22日
    • 中国の半導体市場は独自の成長を裏付けている(華虹集団のパワー半導体用12インチウエハー)
      中国の半導体市場は独自の成長を裏付けている(華虹集団のパワー半導体用12インチウエハー)
     中国化学・素材メーカーの規模・質量面での成長、自動車・家電、ICTなど化学品最終ユーザーの海外進出、米国との通商摩擦にともなう半導体・バイオ製造業の独自路線による拡大といったトレンドが顕著になるなか、在中国日系化学企業もこれに対応。現地生産体制の拡充や最適化、技術サービス現地化を含む中国系ユーザーへのスペックイン活動強化などに力を入れている。

     住友化学は、中国をICT&モビリティ関連製品の重点市場と位置付ける。半導体材料はi線用、ArFエキシマレーザー用フォトレジストで高いシェアを持ち、後工程用にも供給。硫酸、イソプロピルアルコールなど高純度ケミカルは常州(江蘇省)と西安(陝西省)で生産している。顧客との密なコミュニケーションによりニーズを吸い上げ、開発を迅速化したい考え。

     レゾナックは中国で、封止材やダイボンディング材料、配線板用感光性フィルム、高純度ガスを含む半導体・電子材料事業を経営の軸に据える。多くの材料で地産地消体制を構築しており、今春には蘇州(江蘇省)でエポキシ系封止材の生産能力を増強。ダイボンディング材料も南通(同)でフィルムの後工程ラインを、蘇州でペーストの生産ラインをそれぞれ増強中だ。同社は「共創」をテーマに中国系ユーザーとの関係をさらに深め、現地市場深耕を図る。

     日本化薬は、2026年度の完了をめどに湖州(浙江省)でエアバッグ用インフレーターの生産能力を増強する。27年夏には点火装置(スクイブ)も内製化する。自動車市場の成長が続く中国の需要を取り込む。

     DICは今秋、南通市内で移転新設した印刷インキ工場の稼働を開始する。食品包装材料を主力用途とするリキッドインキなどの競争が激化するなか、東莞(広東省)、瀋陽(遼寧省)を含む3工場でリキッド、ペースト両製品の最適供給体制の再構築を完了。河北、華東、華南の各重点市場で一層の拡販に取り組む。

     三菱ケミカルは28年央をめどに、南通のアクリル樹脂工場と開発センターの移転を完了させる予定。中国2カ所で生産するMMAからアクリル樹脂にいたる一貫体制をテコに、現地市場における優位性の維持向上を図る。また蘇州では今春、電線被覆材などに使う難燃コンパウンドの生産能力を増強。シェア7割を占める中国系OEMに食い込むため、技術サポート体制を強化する。

     東レはエンプラ事業で日系に加え、伸長する中華系顧客へのスペックインを増やしている。仏山(広東省)では来年初頭、コンパウンド新工場を年5万トン能力で全ライン稼働させる予定。グローバル供給拠点とも位置付け、さらなる増強も計画する。

     三井化学は上海で来春稼働を目指し、自動車内装表皮などに使うオレフィン系熱可塑性エラストマーの生産能力を2倍に引き上げる。

     三菱ガス化学は、ハイエンドの携帯端末やAI、サーバー向けで半導体基板に使うBT材料の販売が好調。顧客の要請に応え、タイ工場の製品認定も進めている。レガシー半導体をターゲットとする積層板も顧客評価が進展。将来の現地生産化も見据える。

     ポリプラスチックスとグローバルポリアセタール(GPAC)の合弁会社はは昨秋、南通POM工場の第1期移転増強を完了。重合能力を1・5倍の年9万トンに引き上げた。26年には2期目の移転を予定する。

     トクヤマは、26年春をめどに、蘇州で血液検査用の電解質分析装置に使う緩衝液の現地生産に乗り出す。現地生産化でおう盛な需要に応える。
いいね
電子版無料トライアル

  • ランキング(特集)