五十嵐弘之 中国総代表
<旭化成(中国)投資有限公司>
旭化成は社内外との「共創」で競争力を高めていく。グループが推進するスピード、アセットライト、高付加価値を中国事業のコア戦略に定め、モノ売りから「価値提案型」ビジネスへ進化を図る。旭化成の五十嵐弘之中国総代表は「素材と技術・サービスを組み合わせたソリューションや、顧客との共創が勝ち筋になる」と中国ビジネスの方向性を語った。
今年4~6月期は売り上げベースで前年並み、ほぼ計画通りに推移した。好調だったのは電子材料。特に生成AI(人工知能)向けや、データセンターの新増設需要などで好調に推移した。
上海と深圳に構える「共創」拠点はソリューション創出の中核を担う。エレクトロニクス領域では車室空間におけるサウンドマネジメントに注力している。施設内には「試聴室」など体感できる環境・設備を配置。子会社セージとも連携しながらデザイン面と機能面を組み合わせた、理想的な車内空間をユーザーとともに構築していく。
旭化成は世界で唯一、イオン交換膜、電極・セル、電解槽など電解プロセスで使用する全ての製品を供給しており、中国でも高いプレゼンスを持つ。さらに今年からは欧州および日本で展開済みのソリューションサービスの中国展開も計画しており、競争力のさらなる向上が期待される。
中長期的なビジネスの種として、期待を寄せるのが環境に優しい水現像フレキソ印刷樹脂版「AWP」事業。現状中国印刷業界はグラビア印刷がメインだが、将来的に諸外国と同様に揮発性有機化合物(VOC)の排出量抑制、CO2排出削減に向けた規制強化の可能性をはらんでいる。昨年11月、上海で開催された輸入博をきっかけに、国内飲料大手ブランドオーナーと採用に向けた概念実証(PoC)を共同で進めている。