佐藤厚秀 総経理
<徳玖山(上海)管理有限公司>
トクヤマは中国現地法人設立20周年を迎え、新たな一歩を踏み出す。徳玖山国際貿易(上海)、徳山化工(浙江)は今年で20年目の節目の年となる。これまで半導体国産化への対応強化を含めた製品の多角化に注力し、現地供給体制の確立や新規・増産投資を進めてきた。来期には新中期経営計画の始動も控えており、半導体向け製品を中心に刈り取っていくかまえ。
米中貿易摩擦に起因した半導体の国産化促進という逆風の中でも、トクヤマブランドに対する顧客からの再評価の機運が高まっている。
徳山化工(浙江)において、ICケミカル事業の高純度イソプロピルアルコール(IPA)については、プロピレンと水を反応させる直接水和法で製造した高品質の日本産IPAを輸入し、現地顧客向けに充填・小分け作業を行い、供給している。ローカルメーカーの台頭も目立っているが、現状同社が強みとする品質要求の高い半導体向け販売の脅威とは認識していないようだ。
製造設備を新設したエピタキシャルウエハー向け高純度トリクロロシランについても、本格販売に向けた顧客評価が進んでいる。中国でも高いプレゼンスを有しており、来期以降収益への貢献が期待される。創業の事業である乾式シリカについては、主要な用途の1つである不動産関係の需要が振るわず、出荷数量は横ばいを維持しているものの、供給過剰によって価格は下落傾向。増強した疎水性シリカなど、新規顧客の開拓を進めながら、市場の回復を待つ方針だ。
このほか、放熱材料についても、高品質な日本産窒化アルミニウムへのニーズの高まりから販売は好調で、新規着工が進むデータセンターや半導体装置パーツ向けなどハイスペック需要を取り込んでいく考え。
現中期経営計画では、コロナ禍とその後の景気低迷により厳しい事業運営を続けてきたが、新中期経営計画の成長への種蒔きは進み、30周年に向けた飛躍を期待している。