棚町幸治 機能化学品本部長
<丸紅上海会社>
丸紅は2025年度から新中期経営戦略を始動しており、中国拠点ではこれまでの知見を生かすことができる、ディスプレイや半導体、電池材料領域における既存事業の磨き込み・拡張を成長戦略に据える。
丸紅は中国で基礎化学品と機能化学品の両輪で事業を展開している。基礎化学品はオレフィン、芳香族、合繊原料、塩ビ・クロアリ、各種樹脂、硫黄等、機能化学品はディスプレイ、半導体、蓄電池関連材料、プリンティング材料、コーティング材料などを取り扱う。
今年4~6月は米中間関税摩擦問題に関連する輸出取引での駆け込み需要や消費促進政策による特需により、期初想定を上回る結果となった。特に家電およびスマートフォンの需要が喚起されたことで、ディスプレイ関連材料の販売が好調だった。通期は世界的な地政学リスクが伴うものの、期初見通し通りの着地を見込む。
丸紅本体は新経営戦略「GC2027」を始動している。既存事業の収益力を一層強化するほか、レジリエンスの高い地域ポートフォリオの強化などを戦略に据える。
機能化学品分野では中国を最注力地域と設定しており、重点を置く電池領域やディスプレイ領域の性能アップグレード提案や、蓄電池性能を引き上げる補助部材など周辺分野の需要を取り込む。更に国内では次世代電池到来の機運も高まっており、需要が見込まれる各電池部材のサプライチェーン構築を図る。
ディスプレイ分野では家電向けの大型化は踊り場に入りつつあるが、公共施設などで用いるサイネージ分野は今後も大型化や堅調な需要が期待されることから、家電向けで培ったノウハウやケミカル製品を提案・供給する。広州、成都、重慶の3カ所には危険化学品冷凍冷蔵倉庫を設置しており、顧客の要望に合わせたタイムリーな輸送を実現している。