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  • 化粧品総合特集 研究開発担当トップに聞く 花王・研究開発部門 スキンケア研究所長・宮木正廣氏
  • 2025年9月29日
     花王が大事にしているのは「生活者起点」と「本質研究」。重要度が高い深刻な社会課題に対して、エッジの効いたソリューションで世界ナンバーワンの貢献を実現していく「グローバル・シャープトップ」戦略を掲げており、とくに他社にはない強みがあり、われわれにしかできない事業領域にフォーカスして生活者への価値提供を進めている。

     その中で成長ドライバーと位置付けるのが「スキンプロテクション」領域のUVケア。紫外線対策はグローバルで関心の高い分野で、当社独自の「均一持続塗膜技術」を搭載した日焼け止めは競争優位性を発揮できると考えている。

     ウォーターベース処方に紫外線防御成分をカプセルに内包して配合する技術で、みずみずしい使い心地と高い紫外線防御効果の両立を実現。新しい価値を届ける処方を開発し、多様な機能とニーズへの対応を図っている。

     1つは「肌にやさしい」といったニーズに応える紫外線吸収剤フリーの新処方の「ビオレUV アクアリッチ ウォータリーホールドクリーム(通称・水肌記憶UV)」。紫外線散乱剤をミクロカプセルに内包し、みずみずしく白浮きしにくい使い心地を実現した。

     さらにもう1つは、紫外線吸収剤を内包した寒天ハイドロゲルカプセルと高抱水性ポリマーを新たに配合した「ビオレUV アクアリッチ エアリーホールドクリーム」(通称・呼吸感ベールUV)。湿度の変化に応じて塗膜が吸放湿し、蒸し暑い環境でもムレや不快感を軽減できる。スフレ状のクリームのような新感触で、室内環境では乾燥からも肌を守る。

    • 寒天ハイドロゲルカプセルと高抱水性ポリマーを配合した「ビオレUVアクアリッチ エアリーホールドクリーム(通称・呼吸感ベールUV)」
      寒天ハイドロゲルカプセルと高抱水性ポリマーを配合した「ビオレUVアクアリッチ エアリーホールドクリーム(通称・呼吸感ベールUV)」
     日本に加えてタイ、台湾、香港でもテスト販売するという新たな取り組みもスタートさせた。ビオレUVは4年連続で国内売り上げナンバーワンの日焼け止めブランドとして支持を得ているが、これまで国内で導入してきたテスト販売、課題の修正、翌年全国発売といったPDCAサイクルをグローバルでも高速に回していくことで、さらなる生活者価値向上とグローバル市場でのシェアアップを目指したい。

     パートナーとの共創による事業構築も強化している。当社では皮脂中にヒトのRNAが存在することを発見し、独自の「皮脂RNAモニタリング」技術を構築している。RNAにはさまざまな情報が含まれることから応用範囲は広いと考え、昨年、アイスタイルと共同で「RNA共創コンソーシアム」を立ち上げた。今年5月には第1弾の成果としてスマートフォンで写真を撮るだけで、RNAによる肌タイプ「肌遺伝子モード」を推定できる技術をアットコスメのアプリに初搭載し、ケアのポイントなどのアドバイスを提供している。生活者にとってさらに満足度の高いパーソナルな商品・サービス提供につながればと期待している。
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