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  • 化粧品総合特集 研究開発担当トップに聞く ミルボン・取締役生産本部長、開発本部・オーガニック事業担当・鴻池一信氏
  • 2025年9月29日
     毛髪については、構造や年齢による変化などまだまだ分かっていないことが多い。美容室専売の製品とサービスを提供する当社としては「感性と科学の融合」をテーマに毛髪の構造解明や皮膚科学研究、頭皮や毛髪に対する高効果成分スクリーニングや安全性、品質に対する研究などを進めている。また、中期事業構想にともなう「R&Dビジョン2026」に沿って新たな事業開発領域の研究も加速させていく。

     毛髪科学の分野ではナノレベルでの解析に取り組んでいる。直径0・08ミリメートルの毛髪の表面や内部で何が起こっているのかを解明するのに通常の観察方法ではありままの姿を捉えることは難しい。当社では大型放射光施設(SPring-8)を用いて分子レベルで観察し、構造や機能の解明を図っている。

     また、美容の分野では「サラサラ」「ふわっと」など感覚的な表現が多く、人ごとに捉え方に違いがでてきてしまうが、客観的な指標や理論に基づく効果計測の構築などサイエンスベースのエビデンスづくりを強化している。社内だけでなく外部の専門研究機関、そしてヘアデザイナーとも積極的に連携し、多面的な髪や頭皮へのアプローチ、タイムリーな製品開発に役立てている。

     最新の研究では「ヒトiPS細胞を活用した育毛成分の研究成果」をもとに根元から髪1本1本が立ち上がる健やかな地肌へと導くスカルプケアライン「オージュア プレセディア」を昨年2月に発売した。年齢とともに低下する髪の弾力にアプローチするもので、多くの支持を獲得し、過去最高の売り上げを記録した。

    • 「オージュア アルティール」
      「オージュア アルティール」
     また、毛髪の85%を占めるのがケラチンたんぱく質。当社では高い毛髪修復効果を持つ成分として独自のケラチンたんぱく質(CMADK)を開発しているが、常に進化させてきており、最新研究では保湿力の高い美容成分「モイストCMADK」を発見、この成分を配合した新ライン「オージュア アルティール」を今年2月に上市している。

     研究開発体制については、日本を核として北米、中国、タイに海外研究拠点を設け、グローバルでの研究開発を強化している。それぞれの役割を明確化し、水質、生活環境、価値観、髪質などの違いを踏まえてグローバルとローカルのニーズに沿った製品展開を目指す。

     さらに東北大学、関西大学、大阪公立大学などとは寄付講座や共同研究部門を開設し、基盤研究の充実を図るとともに、コーセーと協業して美容室で化粧品を販売するという新しい取り組みをスタート、産学連携を強化している。花王とは健康をサポートする経口食品を開発するなど、ヘアケア商品を中心としたビジネスからビューティーヘルスケア分野への進出、事業拡大も加速させる。
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