後河内満 社長
CBCシンガポール(後河内満社長)は、近隣の東南アジア諸国で起きる産業誘致や設備投資動向をにらみながら、顧客や市場、販路を開拓して事業成長を目指す。注力エリアは中長期的な人口増が見込めるフィリピンのほか、電子部品産業などの投資対象として注目されるベトナム。フィリピンでは、食品添加物や食品包装材料の横展開に注力。ベトナムは連携可能な企業を探索するなど、商流を再構築する検討に着手した。
シンガポール現地法人では現地のほかにベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア西部への商材トレーディングを担う。足下の収益基盤は各種化学品と食品包装資材。東南アジア製品の日系企業のサプライチェーンに供給し、顧客のBCP(事業継続性)強化に貢献している。CBC全社の拠点網を生かして競争力のある商材を安定供給できることも強みだ。
食品関連の供給を足がかりに戦略的に市場を開拓・深掘りしてきたフィリピンは、着実に事業基盤を形成してきた。人口1億人を抱え、若年層も多い現地市場の需要は底堅く、食品添加物や加工食品向けの食材、包装用の樹脂フィルムの取り扱いを増やしつつあり、同国での事業展開は成長路線を継ぐ。基盤整備の一環として在庫機能も拡充し、現地取引先の需要に対して、より迅速で安定した供給サービスを提供している。
同様に1億人の人口を抱え、電子部品産業の育成に取り組むベトナムは、事業基盤の強化が必要な市場となりそう。米中貿易摩擦や台湾リスクを背景に東南アジアへのサプライチェーン移管に関心を寄せる電子部品産業の動きをトレーディング事業として取り込むべく、現地の法規制調査やパートナー企業探索に着手したという。後河内社長は、「既存の食品分野に加えて新たなビジネスの可能性を検討している」と方針を語る。