苗村隆 社長
ケミカル船専業船社ショクユタンカーグループのSUナビゲーション(苗村隆社長)は、ステンレス(SUS)製のケミカル船によるクオリティ・シッピングを提供する。ベースオイルを中心とするが、有機化学品から無機化学品、廃食油やバイオマス製品まで高品質な海上輸送ができる点を強みとしており、グループとの協業を生かしアジアを中心としながらも、豪州や欧州への進出も図っている。
ショクユタンカーグループは、2026年で創立60周年を迎える。食用油の国内輸送を祖業として、1980年代以降は中国の優良顧客や日系商社を基盤とする有機化学品の海上輸送に従事してきた。現在は、船主業、国内輸送とともに極東航路を手掛けるショクユタンカーと、アジア域内で南北間航路を手掛けるSUナビゲーションとで業務をすみ分けている。
SUナビゲーションは、東南アジアや日本・韓国に顧客基盤を持ち、石油メジャー、日系の化学メーカーや商社を中心に化学品貿易の輸送を担ってきた。中国の石化品増産による事業環境の変化に対応し、現在は持続可能な航空燃料(SAF)の原料となる廃食油やバイオディーゼルの原料となるパーム油輸送にも力を入れている。
オールステンレスの船隊を生かし、有機化学品を優先しながらも潤滑油、カ性ソーダ、硫酸など多様な輸送品目となっている。「日本や韓国から有機化学品の輸送需要が減少する一方、コロナ明けからバイオ製品の需要が増えた」(苗村社長)として、輸送時にヒーティングを要する廃食油などを対象にステンレスタンカーの活躍の場を広げている。
現在、自社で7隻のケミカル船を保有する。うち1隻を、欧州向けに用船に出すことを決めた。「海運業界において脱炭素で先行する欧州では、各種規制に適合する高品質船の需要が増し引き合いは強い」(同)としている。