• 大型特集
  • R&D特集 住友ベークライト、新規開発でホームラン狙う
  • 2026年2月24日
     <稲垣昌幸 代表取締役副社長執行役員>

     新規開発、既存事業の発展の2方向でR&Dに取り組む。新規開発は将来、事業部として立ち上がるようなホームラン級を狙う。BMI(ブレインマシンインターフェース)は精度、使い勝手ともに改良が進んだ。まずはてんかん診断を想定するが、軽量化が進み、付け心地も良くなったため、他の医療用途や日常使いが視野に入る。介護現場のコミュニケーションツール、作業現場の熱中症対策、運転時のモニタリングなどが考えられる。特定の脳波に集中すれば、デバイスを大幅に小型化できるため、引き続きデータを集めて実用化を急ぐ。

     水素製造装置用のアニオン交換膜(AEM)は2026年度から有償で供給を始める。ユーザーの仕様に合わせ、製品ラインアップを拡充する。

     エレクトロクロミック調光シートも期待する製品の一つ。アイウエアがターゲットで、レンズの透過率や色調を自由に変えられるのが特徴だ。当社品は即応性があり、透過率の幅が広い。また、発色のみ電気を使用し、メモリー性があるため、バッテリーを小型化できる。メガネフレームのデザイン自由度の向上にもつながる。同技術はスマートグラスに応用できるとみている。

     工場排出の二酸化炭素を原料とするポリウレア生産はベンチスケールに入った。これはホームランを狙うのではなく社会的な責務。排ガスから樹脂をつくり、脱炭素社会に貢献する。

     既存事業でも戦略製品が揃ってきた。独自のシクロオレフィンポリマー(COP)「COPLUS」は、構造を変えることでさまざまな性能を付与できる。半導体の前工程、後工程の両方に適用でき、半導体以外にも多様な用途に展開できる。新開発のフェノール樹脂「AQNOA」は、水溶性と低モノマーの両立が売りだ。低モノマーのためユーザーの生産設備で排ガス処理などの環境対応設備が不要になる。

     AIデータセンター周りではパワー半導体向けに高放熱の封止材、シンタリング銀ペーストの拡販が進む。パワー半導体は先端ロジックよりも搭載数が多く、収益の拡大につながっている。先端ロジック向けも液状封止材をラインアップし、需要を取り込む。
いいね
電子版無料トライアル

  • ランキング(特集)