無加圧接合条件でも緻密かつ低収縮の焼結接合層が形成できる銀ナノ粒子
大阪ソーダは、次世代パワー半導体の高放熱接合材料として、銀ナノ粒子の採用拡大を目指す。炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)系の次世代パワー半導体の接合では、高い熱伝導性や信頼性が不可欠となることから、従来のはんだ材料に代わる新たな材料として、銀シンタリング材の普及が進んでいる。
同社銀ナノ粒子は、粒径100~500ナノメートルで、銀粒子表面に独自の有機物(保護基)を付加している。これにより、銀粒子の凝集を防ぐとともに、焼結開始温度などを調節できる。また、加圧・無加圧プロセスにおいて、低温・短時間で高強度の接合が可能な銀シンタリング材を作製することができる。
同社銀ナノ粒子は、一般的な銀ナノ粒子(数十ナノメートル)よりもサイズが大きいため焼結時に収縮しにくく、アウトガス発生量が少ない。そのため接合層内部にボイドが生じにくい。また、ミクロ銀(1マイクロメートル以上)よりはサイズが小さいため、焼結性がミクロ銀より高く、緻密度が高い焼結体となる。ミクロサイズの銀粒子のすき間を埋めるのに適したサイズであり、ミクロ銀と混合することで最密充填を実現できる。これにより、加圧接合条件のみならず、無加圧接合条件であっても緻密かつ低収縮の焼結接合層が形成される。単に接合強度に優れるだけでなく、熱疲労耐性などの高い信頼性が得られる。
同社は、保護基と粒子サイズの組み合わせにより複数のグレードを保有している。すでに一部のグレードを上市ずみで、引き続き、顧客の要望にあわせ最適なグレードを開発・提案する。
幅広い分野でパワー半導体の需要が高まるなか、今後さらに、銀シンタリング材に対する接合条件の低温化、短時間化が求められる。同社はこうしたニーズを捉えながら、高性能な放熱材料の開発を継続していく。