宮原哲 総経理
<電化(上海)管理有限公司>
デンカは中国でスペシャリティ路線を一層際立たせていく。成長ドライバーとなる電材領域では、再生可能エネルギー市場で需要増が見込まれる放熱ベース基板や、無機・有機材料の組み合わせによる競争力の向上など期待を持てるアイテムが多く、中長期の柱を創り出していく。
2025年上半期までは、昨年から始まった中国政府による家電の買替補助金制度の影響もあり、電子材料を中心に順調に出荷が伸長した。しかし、需要の先取りも懸念されており、市場動向を注視している。
まず幅広い分野での展開が期待されるのは、今年から本格販売を始めた低誘電有機絶縁材料の「スネクトン」だ。プリント基板向け絶縁材料で、誘電正接の抑制や熱膨張率の低減などの効果を有する樹脂素材である。
宮原哲総経理は、「デンカは無機と有機材料がラインアップにあり、組み合わせることで伝送損失のさらなる最小化が期待されることから、低誘電マテリアルとしてトータルでの提案を行っていく」と語る。
足元の成長株は、大連市(遼寧省)で生産している放熱ベース板「アルシンク」。大牟田工場(福岡県大牟田市)との2拠点体制を敷き、27年後半には両拠点合計で約1・3倍に生産能力増強を計画している。太陽光や風力によって得られた電力の送電距離延長、送電時の電力ロスの低減を背景に高圧直流送電(HVDC)需要が急伸しており、高耐圧大電流用ハイパワーモジュールの放熱部材として使用されている。
また、変性アクリレート系構造接着剤「ハードロック」では、中国現地で新たなニーズに対し改良提案なども行い、高い評価を得ている。蘇州市、大連市、天津市に生産・研究拠点を有している点を最大限生かし、現地ならではの要望やニーズを的確に捉え、製品開発に役立つ新たな発想や顧客満足度向上につなげていく。