• 大型特集
  • 中国特集 中小企業への支払い遅延防止へ 政府が条例施行
  • 2025年9月22日
  •  国務院は、政府・公的機関および大企業による中小企業への支払い遅延の防止を目的に策定した「中小企業代金支払保障条例」を今年3月公布、同6月から正式に施行を開始した。取引の公正性を確保しているほか、地域別の通報プラットフォームも整備。EV最大手のBYDをはじめとする大手自動車OEM各社は同条例への賛同する意思を示し、サプライヤーへの支払期限を60日以内とする方針を表明している。

     中国の自動車業界では支払サイト(期限)の長期化が「暗黙の了解」として存在してきた。中国に拠点を置く日系サプライヤーの総経理は「納品後数カ月のサイトに加え、さらに6カ月の手形を発行。実際には最大1年間、資金を回収できないことも少なくない」と語る。また、悪いケースでは長期間のサイトをサプライヤー側が認めない限りは取引中止を迫る交渉により、渋々長期化を受け入れる企業もあるようだ。

     公開情報や日系法律事務所の見解によると、改正前の条例では大企業に求められる支払期限は「合理的な期間」と曖昧だった。改正後、大企業から中小企業への支払期限を原則「物品・サービス提供日から60日以内」に義務付け、取引の正常化が期待されていた。背景には中国ティア1、2などの部品メーカー側から政府に強い要望が提出され、今回の条例に公布にいたったという意見もある。

     しかしながら同条例施行後、在中日系数社にヒアリングを行うと、改善されていないという声をよく耳にする。この原因の一つはOEM側がサイトの短縮によって生じるキャッシュを負担できないということが考えられる。仮に180日だったサイトを60日にすることで、膨大な金額の支払い事項が発生する。一部報道では、とある大手自動車OEMの負債は日本円で6兆円規模まで膨れ上がっているという見方もある。

     工業・情報化部は条例施行後、サイトの改善がスムーズに進んでいないことや、中小企業側からの建議を受け、7月、中小のサプライヤーに対して、支払遅延に関するオンライン相談窓口を設置した。自動車OEMが60日以内の支払義務を履行しない場合や、先延ばしにした場合などの相談窓口になっている。
いいね
電子版無料トライアル

  • ランキング(特集)