稲沢生磨 樹脂事業本部中国統括営業部長
帝人は樹脂事業の海外最重点市場と位置づける中国で、ユーザーの新規開発テーマ支援や中国系顧客へのスペックイン活動に力を入れる。現地では自動車内外装や5G通信関連の領域で、ポリカーボネート(PC)の易加工性シート、高耐候グレードなど高付加価値品を使った開発案件が増加。再生品需要にも応える。また通商摩擦回避へ海外に生産拠点を設ける中国顧客も、グローバルリーチを生かして支援する。
帝人は嘉興(浙江省)でPCポリマーを、上海で同コンパウンドをそれぞれ生産し、上海ではテクニカルセンター(TC)も運営。現地で生産から技術支援までの一貫体制を敷き、電子電気・OA機器や自動車、5G通信、光学、医療など幅広い市場に製品を供給している。
中国ではPC重合能力が年400万トン近くに達する一方、需要の伸びは鈍化し競争も激しいが、帝人は今上期、嘉興・上海両拠点で高稼働を維持。PCなど樹脂製品の販売も堅調に推移した。
PCはコンパウンドで差別化する戦略だが、ポリマーも透明性などで評価が高い。「開発スピードを重視するユーザーは、評価工数を削減できる当社品の信頼性や、カスタマイズ力を評価してくれている」(樹脂事業本部の稲沢生磨中国統括営業部長)。
自動車用PCは射出・押出成形品に加え、内装用加飾フィルムなどに使う易成形性シート、パネル・ディスプレー向けの高硬度共重合品、車載レンズ向け高耐熱品などを提案。5G関連では高耐候性グレードをアピールする。
持続可能な製品を求める顧客の要請に応え、再生品率50%以上のPCRコンパウンドの供給を拡大。中国での再生材調達拡大にも取り組む。
関税影響を回避する狙いもあり、日系や中国系顧客が東南アジアなどへの生産移管を進めるなか、帝人は中国側とタイ、マレーシア両国に置く営業拠点や、タイのコンパウンド拠点との連携を深め、顧客の海外進出をサポートする。