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  • 台湾特集 内憂外患 乗り越える技と知恵
  • 2025年11月10日
    • 頼清徳総統(中央)は、台湾における半導体産業の重要性と国際社会と協力しサプライチェーンを構築していくことを訴えた。(Semicon Network Summitで)
      頼清徳総統(中央)は、台湾における半導体産業の重要性と国際社会と協力しサプライチェーンを構築していくことを訴えた。(Semicon Network Summitで)
     台湾経済への外部要因の影響が強まっている。米国は8月に、台湾への関税率を20%とした。当初検討されていた32%からは引き下げられた結果となったが、日本や韓国、ASEAN諸国よりは高い水準となる。為替も大きく動いていることから「輸出産業全体への中長期的な影響は避けられない」(現地日系商社)という状況となっている。半導体は品目別関税として100%と言及するものの、米国内に生産拠点を建設中、あるいは建設を公表した企業の製品には関税を適用しない方針も表明しており、短期的な影響は限定的とみられる。域内で進展する少子高齢化により将来的な労働不足も懸念されはじめたなか、新たな産業として医療やヘルスケア分野への注目が高まっている。

     <半導体 内外で投資差別化>

     TSMC(台湾積体電路製造)や米マイクロンは域内で先端半導体の増強、増産を進めている。域内の関連部材企業は、先端分野への追随が現地事業の最優先な取り組みになっており、各社とも「次に領域でどのようなプロセスや材料が使用されるのかを、いち早く把握することがカギ」(日系化学メーカー)と認識する。各社ではR&D機能だけでなく、マーケティングや生産の現地化も進め急進する技術トレンドを確実に捕捉する考え。

     一方、準先端から汎用半導体は海外生産への動きが加速している。TSMCでは、熊本の子会社であるJASMの第1工場で28~16ナノプロセスラインで量産が進み、シングルナノプロセスを想定する第2工場も着工している。台湾では、海外生産に求められる「関連化学品の輸出も今後強く求められてくる」(日系部材メーカー)と予想されている。あわせて薬液輸送に使用されるISOコンテナの不足も指摘されている。

     <医療・ライフが次世代産業>

     台湾では、高齢化社会になったとみられており、全人口における65歳以上の割合は、26年には20%を超え、2030年には30%を超えると予測されている。今回の現地取材では、「ローカルスタッフの確保がとても難しくなってきた」(現地日系商社)という声が多かった。

     このような社会情勢から台湾では、半導体に次ぐ新しい産業として医療やライフサイエンスが注目されている。台湾では、素食(ベジタリアン)文化が根付いており、近年、「週末だけ素食」と若い世代が増えるなど、健康趣向が世代全体に広がっている。TSMCと同じITRI(工業技術研究院)発の企業となるTBMC(台湾生物医薬製造)は、バイオテクノロジーを使った核酸医薬品などの受託生産行っていく計画を示す。日本の商社であるCBCは、TBMCに出資し日本市場での代理店として協業を進めるなど、域内での医療やライフサイエンス産業の立ち上がりが期待される。
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