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  • 岡山・広島特集 日本ゼオン、C5事業の利益最大化へ
  • 2025年9月11日
    • C5事業の利益最大化につながる製造プロセスの検討が進む
      C5事業の利益最大化につながる製造プロセスの検討が進む
     日本ゼオンの水島工場(岡山県倉敷市)は、GPI(ゼオン・プロセス・オブ・イソプレン)プラントから始まるC5チェーンの最適化に取り組む。シクロオレフィンポリマー(COP)樹脂の差別化グレードを次々と生み出している一方で、石油樹脂やスチレン系の熱可塑性エラストマーなどは海外勢の価格攻勢を受けつつある。独自の触媒技術などで差別化が効く製品の生産量を増やすプロセスの検討を進め、C5事業の利益最大化に貢献する。

     日本ゼオンの水島工場は世界で唯一のGPIプラントを持ち、C5留分のイソプレンやジシクロペンタジエン(DCPD)などを原料に様々な製品を展開している。DCPDから得られるモノマーを重合し水素添加して作るCOP樹脂は、光学レンズ向けから始まり、医療容器や半導体分野の搬送容器に用途が広がる。

    • 渡辺 昇執行役員・水島工場長
      渡辺 昇執行役員・水島工場長
     1990年に1000トンの第一系列を立ち上げたところから始まったCOP樹脂は、28年に山口県周南市で新プラントが立ち上がると、当時の約60倍の年産能力6万トン規模に達する。水島工場はCOP樹脂の生産設備を4系列保有し、周南地区の新設備や25年度内に商業稼働を予定する高岡工場(富山県高岡市)のCOPリサイクル設備に携わる運転員の教育などでも事業の拡大に貢献している。

     DCPDを出発原料とする特殊化学品も、水島工場が生み出す差別化製品群の一つだ。シクロペンタノン(CPN)は半導体の先端パッケージ分野で現像液としての採用が広がり、生産能力を2倍に増やす計画。医薬品製造向けの溶剤のシクロペンチルメチルエーテル(CPME)も国際ガイドラインへの収載を機に需要が伸び、供給能力を数倍に増やす予定だ。

     一方で、石油樹脂やスチレン系の熱可塑性エラストマーなどは、安く作る海外の競合も出始めているという。今後は独自の技術で差別化が効く製品に製造を最適化し、C5事業の利益の最大化につなげる意向だ。
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