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  • 経営戦略特集1部 三菱ガス化学、進む強靱化 イノベで勝つ
  • 2026年3月2日
  •  三菱ガス化学は2026年度に現中期経営計画の最終年度を迎える。現状では一部製品の撤退を含む構造改革が進む一方、「ユニークネス&プレゼンス(U&P)事業」に注力。前中計下で決めた投資案件を含め、成果刈り取りの始まった製品群も出始めた。こうした事業ポートフォリオの強靱化が進むなか、25年度から新たに打ち出された将来像が「真の研究開発型企業」だ。中国勢の台頭や各種デジタル技術の普及を踏まえて市場へのアプローチ手法を変え、グローバル競争における勝ち抜きを図る。

     U&P事業の選抜においては、事業期待性や社会課題解決への貢献度に加え、「他の追随を許さない競争優位性」「強い価格交渉力の保持」といった経済的価値も欠かせない要素になる。そのため対象には世界シェアで他を圧倒する製品群が多く含まれ、とりわけ電子材料・エレクトロニクスケミカルズ(EL薬品)・光学材料からなるICT3事業が大きなポーションを占める。

     ICT3事業はおおむね好調に推移しており、まず半導体パッケージ基板に多用されるBT(ビスマレイミド・トリアジン)材はAI(人工知能)を含む半導体市場の成長を享受。モバイル端末中心の売上構成からサーバー市場周辺へと裾野が広がり始め、25年末に完工したタイ新工場も日本拠点と並ぶ高付加価値グレードの生産基地となる可能性がある。またEL薬品は韓・台・米・シンガポールなどでの増強をここ数年で実施ずみだ。

     U&P事業へのリソース集中を進めるなか、25年4月に就任した伊佐早禎則社長の下で市場への向き合い方も「マーケットアウト型」への変革を目指す。競合もデジタル技術の活用を進める環境下では、より早く顧客の潜在的課題を察知して開発のスタートを切ることが重要。開発段階からの顧客アプローチを促し、イノベーション創出を加速させていく。
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