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  • 経営戦略特集1部 東ソー、先端事業への投資を成果に
  • 2026年3月2日
  •  東ソーは2025年5月、成長と脱炭素の両立を掲げる「Vision2030」と、3カ年の新たな中期経営計画を打ち出した。電解やナフサ熱分解を起点とした製品群を扱うチェーン事業をサステナブルな収益基盤として固めつつ、成長性の高い先端事業で全社の成長をけん引する絵を描く。27年度に営業利益1400億円、30年度に1700億円を目指す。

     チェーン事業では、製造・販売体制の全体最適を追求する。海外市況の軟化や内需低迷にさらされている塩化ビニル樹脂・カ性ソーダなどの製品は、塩素関連製品の付加価値向上を図りながら、構造改革を検討していく。オレフィン製品では、コンビナート各社との連携による誘導品強化・販売先の多様化を図り、ナフサクラッカーの高稼働を維持する。付加価値素材のタイムリーな事業拡大もカギとなり、26年にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)誘導品、30年にはクロロプレンゴム(CR)の増強設備の稼働を計画している。臭素やハイアミンについても引き続き増強を検討する。

     先端事業では、「ライフサイエンス」「電子材料」「環境・エネルギー」の3分野に狙いを定める。前中計の投資効果の刈り取りに注力する方針で、バイオ医薬品の製造などに使う分離精製剤は26年に南陽事業所、27年に四日市事業所で増強設備を稼働し、伸長する需要の取り込みを図る。石英やターゲット材料といった半導体関連製品については、需要の回復に遅れが見られるものの、中長期的な市場の拡大を捉えていく。

     脱炭素化に向けては、30年度に18年度比で二酸化炭素(CO2)排出量30%削減を目標に掲げるなか、南陽に新設したバイオマス発電所がいよいよ今春に本格稼働を始める。バイオマス燃料と石炭の混焼からはじめ、徐々に石炭の燃焼割合を下げることで、年間50万トンのCO2排出削減につなげる。
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