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  • 経営戦略特集1部 高砂香料工業、各拠点の機能を引き上げ
  • 2026年3月2日
  •  高砂香料工業は、2027年3月期を最終年度とする3カ年の現中期経営計画(NGP-2)において、約570億円の成長投資を掲げ、国内外で基盤整備を加速している。各拠点の機能を引き上げ、研究・生産・販売が一体となって連携する体制を構築することで、グローバル企業としての競争力を一段と高めている。

     とくに今期は成長投資が具体化した。医薬品中間体を主軸とするファインケミカル事業の成長に向け、磐田工場(静岡県磐田市)内に新製造棟を建設し、高度な品質管理体制による顧客対応力を強化した。ベトナムではアプリケーションラボを併設した現地法人を立ち上げ、開発提案から技術サポートまでを現地完結で行う体制が完了し、ドバイでも準備を進めている。インドでもフレーバー拠点を開設し、成長市場での需要開拓に向けた取り組みを本格化させている。

     中国では、上海、広州に続き、第3の生産拠点となる新工場が江蘇省・張家港に28年に稼働する計画だ。同国経済は足元では成長率が減速しているものの、食品や化粧品、日用品の市場規模は依然として巨大であり、香料需要は中長期的な拡大が見込まれる。早期に現地体制を整えることで、持続的な需要取り込みを図る。

     創業精神「技術立脚の精神に則り社会に貢献する」の通り、研究開発は成長戦略の中核を担う。現在の平塚研究所(神奈川県平塚市)は29年に鎌倉へ移転する予定で、最先端設備を備えた体制へ刷新する。バイオテクノロジーを活用した素材開発や培養技術の応用に加え、人工知能(AI)やデジタルトランスフォーメーション(DX)を駆使した研究に力を入れており、新研究所ではこれらをさらに発展させる構えだ。

     長期的には、既存の食品や化粧品、日用品向けにとどまらず、より幅広い分野への事業展開も視野に入れている。人々の暮らしに新たな価値を提供する香料の用途や可能性を追求していく。
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