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  • 経営戦略特集1部 日本曹達、有機EL材など事業化急ぐ
  • 2026年3月2日
  •  日本曹達は、2029年度を最終年度とする長期ビジョン「かがくで、かがやく。2030」のもと、社会課題の解決と企業価値の向上を目指す。アニマルヘルスや有機EL材料などの事業化を迅速に進めつつ、ICT向け製品や農薬といった社会を支える素材の開発にも引き続き取り組む。足元の状況だけにとどまらず、長期的な視野を持って事業運営を行う。

     アニマルヘルスでは、スタートアップのセンタンファーマ(福岡市)への出資を通じ26年には家畜用飼料やペット用サプリの新製品をリリースする。製品ポートフォリオは順次拡大していく計画だ。当面は動物用医薬品をターゲットとし、ペット産業の拡大の波をとらえる。

     有機EL材料では、スタートアップのキューラックスと共同で熱活性化遅延蛍光(TADF)材料の量産を目指す。20年代後半には量産設備を立ち上げる方針で、準備は順調だという。

     フォトレジスト材料「VPポリマー」は24年に千葉工場(千葉県市原市)で能力を倍増させた。新設備の顧客評価が進んでおり、26年に本格始動する見込みだ。信頼性の高いKrF露光プロセスの需要は好調に推移する見込みだ。液状ポリブタジエン「NISSO-PB」はAIサーバー向けや次世代通信用の銅張積層板(CCL)材料として引き合いが強まっている。高機能化を進め先端分野へのアプローチを強化する。

     錠剤を固める際に用いられるヒドロキシプロピルセルロース(HPC)の需要も急拡大している。26年にはドイツにサービス拠点を設立し、欧州製薬メーカーへの対応を強化。インドでも供給体制の拡充を見据える。

     農薬では、近年に上市した新規3剤で売上高100億円を目標に掲げる。各国での登録遅延により当初予定の26年度からは若干ずれ込む見通しだが、達成は射程圏内にある。そのほか、生物農薬やバイオスティミュラントの開発も継続する。
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