• 大型特集
  • 経営戦略特集1部 トクヤマ、電子先端材・ライフサイエンス・環境に力
  • 2026年3月2日
  •  2021年度に始動した5カ年の中期経営計画の終盤を迎えているトクヤマ。26年度、新たな中計を発表するとともに、11年ぶりの社長交代で井上智弘氏(現常務執行役員)が社長に就く。

     現行の中計では、成長事業と位置づける「電子先端材料」「ライフサイエンス」「環境事業」への事業ポートフォリオ転換を推進してきた。電子先端材料では、グループ海外拠点への投資を積極化。半導体製造の洗浄工程に使う高純度イソプロピルアルコール(IPA)の台湾拠点が26年中にはフル稼働に達する見込みであり、同年にIPAリサイクルプラントも完工予定。マレーシア・ベトナムでは、半導体用多結晶シリコンの供給体制構築に向け、新設備の建設が進行中だ。

     ライフサイエンス分野では25年度、JSRの体外診断用医薬品および医薬品材料事業の買収を決定・実行した。抗原や抗体の知見を獲得することで、事業領域拡大の足掛かりとする。飛躍的な成長を遂げている歯科器材事業では、虫歯治療の詰め物となるコンポジットレジンなどを製造する新棟を鹿島工場(茨城県神栖市)内に立ち上げた。次期増強も見据えている。

     環境事業では、23年度に北海道の室蘭市で廃石膏ボードをリサイクルする工場を稼働させた。26年度には南幌町で廃棄太陽光パネルリサイクルの事業化を目指す。水素社会への布石としては、水電解装置向けアニオン交換膜を開発中。水処理や廃液処理に貢献するイオン交換膜もニーズの拡大が見込まれる。

     引き続き成長事業の強化を推し進め、一層の高みを目指していく。窒化アルミニウムをはじめとする放熱材の展開や、買収した体外診断薬事業とのシナジー創出などが今後の重要テーマとなりそうだ。自社の強みと市場のニーズを見極めて研究開発の的をしぼり、次なる新規事業への仕込みも加速する。具体的な新中計の中身は今年5月をめどに公表する予定。
いいね
電子版無料トライアル

  • ランキング(特集)