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  • 経営戦略特集1部 日本化薬、潮流とらえて新製品創出
  • 2026年3月2日
  •  日本化薬は、2026年度にスタートする向こう10年間の長期経営計画「Evolution2035」のもと、これまでと一線を画した異次元の成長を目指す。社会のメガトレンドを予測し、それに付随して必要とされる新たなニーズをとらえた新製品・新事業を創出する。

     今後10年の間には、宇宙産業の伸長やAI(人工知能)の活用分野のさらなる拡大、水素社会の実現など社会構造の変化をともなう新たなトレンドの勃興が予想される。同社はこうした潮流をいち早くとらえ、自社の事業機会としてアプローチしていく。火薬や高分子、色素合成や抗がん薬・バイオといった同社のコア技術と、ビジネスの拡大を通じて培った品質保証や安定供給の体制、グローバルネットワークなどの事業アセットを掛け合わせることで新たな価値を生み出す。

     さらに、長計フェーズ1の26~28年度の3年間には、かねてより掲げてきた自己資本利益率(ROE)8%目標の達成も目指す。直近の予測では25年度末で7・7%となる見通しで、フェーズ1期間中に早期に達成し、その後2桁以上を目指して取り組んでいく。

     足元では、各事業領域それぞれが成長ドライバーを有する状態だ。モビリティ&イメージング事業領域では自動車エアバッグ用インフレーターで中国・ASEAN・インドなど新興地域の需要拡大が追い風になるほか、ファインケミカルズ事業領域では半導体材料や装置などへの成長期待がさらに高まる。ライフサイエンス事業領域では25年末に発売した非小細胞肺がん治療薬の新薬「イブトロジー」の普及を促進しつつ、国内における抗がん薬の安定供給体制の構築にも一層力を入れる。

     これまでの同社は真面目かつ着実な社風が評価されつつも、事業運営における意思決定のスピードなどが課題になりがちだった。新長計では、これまでの良さは維持しつつスピード感や柔軟性をより一層重視する。チャレンジ精神にあふれる社内文化を醸成することで、社員一人ひとりが意欲を持って働ける環境を作っていく。
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