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  • 経営戦略特集1部 住友ベークライト、既存と新規でニッチ開拓
  • 2026年3月2日
  •  住友ベークライトは昨年にAGCのポリカーボネート(PC)事業の譲受を発表し、今年に入って京セラの半導体関連材料事業の買収も決めた。既存事業の強化に加え、てんかん診断用の在宅脳波計およびその用途拡大である脳波検知型BMI(ブレインマシンインターフェース)、水素製造装置用アニオン交換膜(AEM)など大型新規テーマの育成も図り、2030年度の事業利益550億円を確実に達成する考え。

     AGCのPC事業を統合し、車載用ヘッドアップディスプレイ(HUD)向け光学シートの世界シェアを現状の3割から5割超へ高める。AGCが高シェアを握る航空機向け樹脂ミラー、データセンター向けPC中空板もラインアップに加わった。

     半導体封止材トップの地位を盤石にすべく、京セラから半導体封止材などの事業を譲受した。京セラ独自の高熱伝導技術を取り込み、AIデータセンターで使われるロジック、メモリー、パワーのあらゆる半導体でプレゼンスを高める。

     ヘルスケアも重点領域の一つ。医療機器事業は20年に買収した川澄化学工業とシナジーを発揮し、血管内治療や消化器内視鏡分野などの低侵襲医療で拡大を目指す。バイオ事業は再生医療向けの細胞培養器材に強みを持ち、市場をリードする。

     新規ビジネスは高付加価値製品が目白押しだ。BMIはてんかん診断以外の医療用途(ICU、救急医療、精神疾患検査等)、介護現場/意思疎通が難しい患者(閉じ込め症候群等)のコミュニケーションツール、あらゆる機器のハンズフリー操作など幅広い展開が見込まれる。AEMは26年度から有償供給を始め、ラインアップも拡充する。

     独自のシクロオレフィンポリマー(COP)「COPLUS」、革新的なフェノール樹脂「AQNOA」などの新製品はすでに多くの引き合いがあり、引き続きニッチ市場をターゲットに社会に必要とされるソリューションを提供していく。
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