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  • 経営戦略特集1部 日鉄ケミカル&マテリアル、半導体向けの投資加速
  • 2026年3月2日
  •  日鉄ケミカル&マテリアルは、2026年度から始まる5カ年の次期中期経営計画で、ROS(売上高営業利益率)10%超の達成とともに、収益の絶対額の拡大を目指す。大胆な事業構造改革を経て、半導体関連を軸とした成長戦略に舵を切る。

     21年度に始動した現行中計は今年度が最終年度。環境変化に対応しビスフェノールAからの撤退、鹿島製造所・三田工場の休止、熱間等方圧加圧法(HIP)金属製品事業からの撤退などを実施した。そのうえで半導体関連の追い風を確実に捉え、実力事業利益は今年度210億円と、中計目標を達成できる見通しだ。

     次期中計では、成長が続く半導体関連事業を中心に据える。AI(人工知能)サーバー向けリジッド基板需要の急拡大を背景に、低誘電・正接熱硬化性ビニル樹脂の設備投資が進行中で、九州製造所では27年度稼働予定の新プラントに加え、同規模の2基目増設を決定した。放熱フィラー用途のアルミナ球状微粒子についても、姫路製造所で生産能力を50%増やし、1年以内の稼働を計画する。

     さらに、25年12月には日鉄鋼板の市川工場を譲り受けた。電子材料向け薄手バネ箔や排ガス浄化装置用メタル担体向け耐熱ステンレス箔などの供給体制を強化する。

     研究開発では、30年までに成果創出を見込む39件を「短期成長戦略案件」として整理し、次期中計の収益計画に組み込んだ。また、30年以降の上市・成果発揮を見据え、半導体、航空宇宙、医療、エネルギーなど11の材料分野から構成する「中長期成長戦略案件群」も抽出し、中長期の研究開発も強化する。

     新たに策定したカーボンニュートラルビジョンのもと二酸化炭素排出量の削減にも取り組み、30年に13年比30%削減する。基幹業務のデータベース化を進め、全社的なデータ活用による業務改善体制も整える。
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