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  • 経営戦略特集1部 日本ゼオン、成長戦略の具現化に道筋
  • 2026年3月2日
  •  日本ゼオンは2025年度、成長戦略の具現化に向けて相次ぎ道筋をつけた。当座をけん引するシクロオレフィンポリマー(COP)などは生産能力増強に着手し、その次を担う製品群もいよいよ事業化段階に入り始めた。育成に長いスパンを要する新事業では、とくに医療ライフサイエンス領域の立ち上げが先行。他社からの事業譲受や出資も駆使して幅が広がり、目指すべき将来像が形になりつつある。

     現行の中期経営計画第3フェーズの下ではエラストマー事業の構造改革と並行して、強く打ち出されたのは成長戦略だ。COPや光学フィルムは成長ドライバーに位置づけられ、主に増強策を実行中。26年3月から山口県でCOP新プラントの建設を始めたほか、氷見二上工場では25年末から光学フィルム広幅設備の新設に着手した。電池用バインダーは中国メーカーと販売合弁を組み、地産地消化に光明を見いだす。

     次期成長ドライバーは27年度以降の第4フェーズで本格的に伸ばす方針だが、一部では前倒しも発生。半導体後工程の現像液に使うCPN(シクロペンタノン)が強い引き合いを受け、供給増に取り組む。一方、いよいよ事業化フェーズに入るのは単層CNT(カーボンナノチューブ)だ。台湾のSiATとの協業で高度な分散技術を得て、電池用の導電助剤向けにギアを入れて拡販を狙う。

     医療ライフサイエンス領域でも事業のポートフォリオ変革が進む。25年末に医療機器子会社ゼオンメディカルの事業売却を固めた一方、その2カ月前には新子会社ゼオンバイオソリューションズを新設。ベンチャー企業のナレッジパレットから譲受した遺伝子解析技術を用いた事業展開を始めた。別途進めるマイクロプレートなどのCOP成形品の動向と合わせ、同社ならではの技術を活かした「創薬支援」「バイオ」などがキーワードになりつつある。
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